お客様は自分のレジにしか並んでいなかったのです。
店長はお客様に「どうぞ空いているあちらのレジへお回りください」と言った、その時でした。
「私はここへ買い物に来ているんじゃない。あの人としゃべりに来ているんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。
その姿を見て、お客様が店長に言いました。
「そうそう。私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだ。今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ。だけど私は、このおねえさんと話をするためにここへ来ているんだ。だからこのレジへ並ばせておくれよ」
彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことができませんでした。
仕事というのはこれほど素晴らしいものだと、初めて気ついたのです。
そうです。
すでに彼女は、昔の自分ではなくなっていたのです。
同じ仕事でも、自分の取り組み方、考え方を変えるだけでやり甲斐は生まれるものですね。
この女性のように一生懸命仕事に取り組んでいれば周りは見てくれている。
そんな大切な何かを気付かせてくれるお話でした。
Writing by Y.sato of cadot
出典:「涙の数だけ大きくなれる!」木下晴弘著(フォレスト出版)
画像引用元:http://careerpark.jp/55023
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