飼い主さんの思い…亡くなった愛犬へのメッセージに涙が溢れる

2016.03.20 impression

th_sum

 

 

 
この息苦しさを感じるようになったのは数ヶ月前のことだと思う。
投げられたボールを追いかけていた時、目の前が真っ暗になったんだ。
何が起こったのか分からなかったけど、とにかく息をできなかった。
 
飼い主が僕の名前を呼んでいるのだけが聞こた。
でも体を動かすことができなかった。
彼は僕の顔を持ち上げて僕を見つめたのに、僕はいつものように彼の顔を舐めることができなかった。
 
『ベニー、大丈夫か?』答えられなかった。
 
そしたら飼い主が言った。
 
『大丈夫、心配するな。僕がいる』
 
そしたら突然息ができるようになって、体も動くようになっていた。
 
医者に連れて行ってもらった。
それ以来、「心筋症」、「がん」、「腎不全」といった言葉をよく聞くようになった。
分かったのは、僕は時々調子がよくて、他の時はあまり良くないってことだった。飼い主は僕に薬を飲ませてくれた。
 
今朝、彼がシャワーを浴びる音に目が覚めた。
彼が部屋に戻ってきた時、とてもいい匂いがした。
 
彼は僕が起き上がるのをまた手伝ってくれたけど、僕は自分で立ち上がることができた。
 
階段の上まで来たら、階段がとてつもなく長く見えた。
そしたら彼は『大丈夫』といって僕を抱っこしてくれた。
 
外での用事が済んで一緒に家の中に戻ってきたら、飼い主は缶を開けて、あの柔らかくて美味しいドッグフードを食べさせてくれた。あれは本当に美味しいんだ!
 
ジェイが今日も家に来た。
嬉しかった。飼い主とジェイは、何かを心配しているようだった。
みんなが僕のことを撫でていた。
本当はとても悲しいのに、幸せそうな演技をしなくてはならない変わった「ごっこ遊び」のようだった。
 
その後、もう1人の人間が家にやってきた。その女の人はお医者さんのズボンを履いていた。僕はそれに頭をくっつけてみた。
みんなが家の前で話をしていた。そして僕の歯茎を見て、足を触った。
 
お医者さんのズボンの女の人が『あなたが決めることだけど、彼はもうその時期に来てる。押したくはないけど、この血色の悪さ…。立ち上がってること自体、驚くべきことよ。足と顎の皮膚もそうだけど、ここを見て…』そう言って僕の顔を指差した。『ここは本来ならピンクのはず。でも白くて、黄色になりつつある』
 
飼い主とジェイが何かを話するためにどこかに行った。飼い主が戻った時、僕がこう言った。『そうだね。これ以上苦しくなっていくのなら待ちたくない』みんなで家の中に入った。
実は、僕は立ち上がってるのも辛かった。
そして寒かった。
前足も、後ろの足も冷たかった。
 
お医者さんのズボンの女の人が言った。
『これを筋肉に注射する。鎮静剤よ。彼が眠るまで、側にいてあげて』飼い主が僕の額にキスをして、僕のことをじっと見つめた。
泣かないようにしてるのが分かった。
お医者さんのズボンの女の人が、僕の足に何かを注射した。僕も僕の人間を見つめていた。
何て素敵な人間なんだ、いつまでもずっと彼の側にいたいと思った。
飼い主とジェイが僕を撫でながら、僕が嬉しくなるようなことを沢山言ってくれた。
いい子だとか、良くやっただとか、おまえがいてよかったとか、ありがとうとか。
暫くしたら、頭がぼうっとしてきた。
「起きろ自分!」飼い主を見た。
僕はこの人が本当に本当に好きなんだ。
 
また意識が薄れてきた。
「起きろ自分!」僕の人間がまた見えた。
僕はこの人が本当に好きで、ずっとずっと側にいたい。
そのことをきっと彼も知ってる。
それにしても眠かった。
 
「起きろ自分!」もっと見ていたかった。
僕はいつも心をいっぱいにして彼のことを見つめてる。
 
お医者さんのズボンの女の人が言った。
『彼はきっとあなたと一緒にいたいのね。意志が強い。すごい』
 
飼い主は、涙をこらえながら言った。
『うん、分かってる。こいつは僕のために生きてくれてるんだ。本当に、こんな忠実な魂を持った犬、他に知らないよ…』僕と飼い主は頭をくっつけて、一緒に目を閉じた。
 
気持ちよかった。そして目を開けて、また見つめ合った。とても眠かった。
僕が座ろうとしたら、彼がまた助けてくれた。
そして僕はなんだかすごく気持ちよくなっていた。
 

 

編集部 Pick Up!

同じカテゴリーの記事