「俺は妻になにかしてあげれたのか?」
後悔ばかりが蘇りました。
俺がすぐ病気を見つけてあげていたら。
俺がもっと早く病院に連れていってあげていたら。
本当にそんな事ばかり1人になると考えていました。
妻の最期の時は、本当に安らかに眠るようでした。
最後は自分の力では手も動かない状態でしたが、私が手を握り子供たちに触れると笑顔を見せました。
そして、彼女はそれから目を覚ますことはありませんでした。
私はこれからこの娘たちをしっかり育てていかなければいけません。
慌ただしい毎日で、少しは寂しさを紛らわす事が出来るだろうと思っていましたが、心が全然追いついてはくれませんでした。
妻の遺品もなかなか片付けることもできず、半年過ぎようとしていた頃。
妻のバッグの中を片付けていると、私や子供たちに向けてのメッセージが書かれていた紙を見つけた。
そこにはハッキリとした文字ではありませんが、短いメモみたいに。
あなたにぎゅーしてもらえた、ありがとう。
足をさすってくれてありがとう。
お歌を歌ってくれてありがとう。
抱っこしてもらえたありがとう。
いつも笑っていてくれてありがとう。
あなたに会えてキュンキュンしちゃったありがとう。
あなたたちの笑い声が、ありがとう。
あなたたちがそばにいてくれるだけで。
元気になるよ。
ありがとう。
あなたたちが大好きだよ。
ありがとう。
パパいつも本当にありがとう。
そこにはたくさんの妻からのありがとうが記されていました。
私はもう涙も枯れたと思っていましたが、声を出して泣きました。
俺は娘2人としっかりと歩んでいく。
妻はこんな俺にたくさんのありがとうをくれたのだから。
感謝してもしきれない。
俺こそ本当にありがとう。
しっかり空の上から見ていてね。
私は妻がガンになりもっと違う治療法があるのじゃないか、セカンドオピニオンがあるのじゃないかと本当にたくさん悩みました。
それでも、勉強不足すぎて全然わからないまま妻は亡くなってしまいました。
妻に何もしてあげられなかったのではないかと思っていましたが、亡くなった後もまた私は妻に元気づけられてしまいました。
俺の妻になってくれてありがとう。
俺は君にそっくりで元気な娘たちを立派に育てるよ。
Writing by S.ayu of cadot
画像引用元:http://health-to-you.jp/hospital/isisyoujyoututaeru3318/
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