そして、6ヶ月の月日が流れ・・・
予定日をまもなくとある日、ついに破水を迎え、激しい陣痛に襲われながら女性は病院へと搬送されます。
ベッドに横たわる女性の隣には、心配そうに妻を見守る男性の姿があります。
彼の脳裏に浮かんでいたのは、6ヶ月前に医師より宣告を受けた日のことでした。
あの日、医師より判断を迫られたのは、がんの治療について。
女性に残された道は2つ。
1つは、
『化学治療を行い、ガンの治療をすること』
そしてもう1つは
『治療を行わず、赤ちゃんを出産すること』
ガンの治療を行った場合、産まれてくる子どもは生涯を抱えている可能性があります。
そして、最悪の場合、死産の可能性も・・・
しかし、治療を行わければ、ガンの症状に苦しみ、出産を待たず自分が死んでしまうかもしれない。
この究極の選択を、夫婦は医師より迫られていたのです。
そして夫婦が選んだのは・・・
治療を行わず赤ちゃんを出産すること。
そう決断したあの日、彼女は産まれてくる赤ちゃんのためにベビーベッドを組み立て始めました。