「このクソガキめ!」
ある時、店の前の通り沿いで怒号が聞こえてきます。
覗いてみると少年をまえに怒りをぶつけるおばさんとうつむく少年の姿が。
そこに店先で仕事をしていた私の父が割って入っていきました。
「どうかしたのか?」
ふと少年が盗んだものを見てみると薬のようなものが。
「お母さん病気なのか?」
少年はうつむいたまま小さく頷き、それを確認した父は少年の代わりに薬局のおばさんにお金を支払いました。
そして父は私にお店で出している野菜スープを持ってくるように言い、袋に詰めた野菜スープと薬を少年に手渡したのです。
すると少年は何も言わず、薬とスープを持って走り去っていきました。