ニューヨークのロングアイランドに存在する動物シェルター。
ここに保護されている、1匹のアメリカン・ピット・ブル・テリアが一際目立っています。
彼の名はマードック。
体中についた傷は、見た瞬間に思わず目を塞ぎたくなるほど。
彼は保護される前、闘犬の噛ませ犬として利用されていたのです。
噛ませ犬とは闘犬として調教する犬に噛ませて自信をつけさせる為にあてがわれる犬のこと。
日々他の犬に噛み付かれるという、恐怖や痛みの中で過ごしてきました。
しかも、その存在はいつ死んでもいい犬とみなされているので、まともな扱いを受けることはなく、愛情を与えられることもありません。
そして、それは闘犬として育てられている犬も同じで、愛情は一切与えられず凶暴になるようにわざと過酷な環境で飼育をされ、代わりにマードックのような噛ませ犬を噛まされ続け凶暴に育っていくのです。