モーガンくんには1歳の弟・ジェイソンくんがいます。
彼は幼いながらも痒く辛い思いをしている兄を気遣い、薬を塗ってあげようとするなど、とても優しい心の持ち主です。
元気いっぱいのジェイソン君のお散歩は、ダナさんと父親のポールさんが交代で連れて出るそうですが、その度に「一緒に遊びに出られないモーガンが可哀相」と、苦しむ息子を思い両親も心を痛め続けているのです。
今までも、クリスマスが来れば「サンタさんが痛いの止めてくれる?」と言ったり、誕生日にもオモチャのようなプレゼントではなく、ダナさんに「痛いの止めて!」と願い続けてきたモーガン君。
そんな彼が5歳の誕生日の時に望んだ願いが、両親の心を締め付けました。
これ以上痛いのを我慢するのはもう嫌だ!
ママ、お願い。僕を死なせて・・・
この願いを聞いても、どうすることも出来ない自分の無力さに、ダナさんは泣き続けました。
モーガンくんの治療のために、NHS(国民健康保険機関)の病院ではやれるだけの全てのことをしてもらいました。
しかし、モーガンくんの状態はマシになったり、悪くなったりの繰り返し。
「ほんの少しでも炎症が治まれば、モーガンはよくお喋りするし、明るくなるんです。でも一旦症状が悪化すると、痒みと痛みに耐えられず、イライラして愚図るし、本当に辛そうなんです。」
20以上ものアレルギーを持つために、病院側は、モーガンくんにチューブを通して直接食事を胃に流す方法を薦めました。
しかしダナさんはそのことに反対。
「もう5歳なんです。小さかったら自分が何をされているかわからないかも知れないけど、今まで口から食べていたのにチューブを通すなんて、あの子には絶対無理だと思いました。」
どれだけアレルギーがあっても、口から食べたいのは当然。
しかし、まだ他の食べ物にもアレルギー反応を示す可能性もあるモーガンくんは、その度にリスクを背負わなければなりません。
モーガンくんは、アトピー性皮膚炎以外にも辛い思いをしているのです。