私が中学1年の頃、父が知り合いの方のお家で子犬が産まれたということで、子犬を一匹譲り受けてきました。
何の相談もせず子犬を譲り受けてきた父に対し、母は「何の相談もしないで連れて帰ってきて誰が世話をすると思ってるの」と怒っていましたが、子犬の可愛さに心奪われた私と妹は父の肩を持ち、「私たちが世話をするから」と母を説得したのを覚えています。
毛色が黒いラブラドールだったので、名前は「クロ」と名付けました。
はじめのうちは反対していた母でしたが、1週間も経たないうちにすっかりクロの虜となり、我が家のアイドル的な存在に。
子犬の頃は家の中で飼っていましたが、少し大きくなってくるとクロはリビングのすぐ隣の庭で飼われようになり、
私たちは学校から帰ってくると、まず庭にいるクロを触りにいくのが日課となっていました。
しかし、私が大学に進学した頃、クロは突然姿を消しました。
どうやらクロのリードが繋がっていた杭が抜けて、植木の隙間から脱走してしまったよう。
私たちは必死になって近所の思い当たる場所を探しましたが見つからなかったので、目撃情報を求める紙を近所のお店や知人に渡して掲載してもらい、手掛かりとなる連絡を待つことに。