そして、昨年12月、舟木さんは30人近い同級生の部員たちを大講義室に集め、告げました。
「腫瘍(しゅよう)が見つかったの。悪性なんで、入院することになるかもしれない」
目からは涙がこぼれ、講義室には重苦しい雰囲気が漂いました。
その空気を振り払おうと声を上げたのは主将の緒方海人君(3年)でした。
「頑張って、あみを甲子園に連れて行こう」
今年1月には修学旅行先の東京に、闘病中ながらも舟木さんは家族に付き添われて現れたそうです。
野球部の仲間とスカイツリーに上り、浅草寺で写真を撮ったりしてはしゃぐ舟木さんの姿をみて、部員たちは「夏までには治る」と信じお守りを渡しました。
しかし、病状は好転しないまま月日が過ぎ、5月最後の土曜日、松永武監督は部員たちに告げました。
「みんなで見舞いに行ってこい」