家はぐちゃぐちゃ、祖母は母のことがわからず、毎日母を他人扱い。
そんな毎日が続いていた母は、心の底から「もう逃げたい」と思っていたとの事。
ある時、ついに心の糸がぷつりと切れたのか、祖母の目の前で大声で泣きながら、「もう無理…」と祖母に投げかけたそうです。
それは、祖母に対して初めての拒絶の言葉でもありました。
すると、祖母はジーッと母を見つめ、急に何かを思いたった様に、その場から離れます。
母はその場に座り込んだまま、ずっと泣いてしまっていたのでした。
「トントン」
泣いている母の肩を、叩く感触。
顔を上げると、何かを手に持った祖母が、母の元に立っているのでした。
手には・・・
手紙。