「障害を持っていなければ・・・」相模原事件を受け、障害を持つ息子の父親が綴った「息子への想い」とは

2016.08.12 impression

sam

 

 

弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、
人をいじめる人にはならないだろう。
生まれた時から、障害のある兄ちゃんがいた。
お前の人格は、
この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。
お前は優しい、いい男に育つだろう。
  
それから、私ははたと気付いたのです。
あなたが生まれたことで、
私たち夫婦は悩み考え、
それまでとは違う人生を生きてきた。
親である私たちでさえ、
あなたが生まれなかったら、
今の私たちではないのだね。
  
ああ、息子よ。
誰もが、健常で生きることはできない。
誰かが、障害を持って生きていかなければならない。
なぜ、今まで気づかなかったのだろう。
  
私の周りにだって、
生まれる前に息絶えた子が、いたはずだ。
生まれた時から重い障害のある子が、いたはずだ。
  
交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、
雷に遭って、寝たきりになった中学生が、
おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、
嘱望されていたのに突然の病に倒れた大人が、
実は私の周りには、いたはずだ。
私は、運よく生きてきただけだった。
それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ。
  
息子よ。
君は、弟の代わりに、
同級生の代わりに、
私の代わりに、
障害を持って生まれてきた。
  
老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。
事故で、唐突に人生を終わる人もいる。
人生の最後は誰も動けなくなる。
誰もが、次第に障害を負いながら
生きていくのだね。
  
息子よ。
あなたが指し示していたのは、
私自身のことだった。
  
息子よ。
そのままで、いい。
それで、うちの子。
それが、うちの子。
  
あなたが生まれてきてくれてよかった。
私はそう思っている。
父より

 
神戸さんはかつて、「息子の障害がなくなればいい」と考えていたようです。
 
しかし、ある時に息子が息子として、どんな形でもありのままで生まれ育ってきてくれたことによって、今の自分たちの姿があることに気がつき、感謝の気持ちが溢れでてきたそうです。
 
この投稿を見たユーザーからは
 

・同じ想いです。胸が熱くなります
・涙が止まりません。
・我が家も同じ境遇ですが、この文を読み、とても考えさせられました。

 
など、共感の声や感動の声が続々と寄せらました。
 
この事件を受け、多くの人が現状のあり方について考えさせられることになったでしょう。
そして、悲しみを抱えているすべての人に届いて欲しいと、父親が綴った真摯な言葉に思わず涙が出てしまいますね。

 


Writing by S.Shingo of cadot


出典:facebook


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