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父親は、公務員。
母親はパートと、二人ともしっかりとその地域で働く両親です。
しかし父親が息子の想いに対して出した答えは、家族の今後を大きく揺るがす結論だったのでした。
 
「遠くに行こう。今の学校なんか関係ないと思える場所に、引っ越そう」
 
なんと、いじめを受けていた息子の様子を見て、引っ越しすることを決めたのです。
 
父親の職場は、通勤時間が自宅から10分程度のところ。
この上ない立地の家から、遠い地域のところに引っ越そうとするのです。
 
急な話しに、息子も母親も戸惑います。
しかしその決断には、父親の「いじめに対する想い」が色濃く込められていたのでした。
 


「逃げたほうがいいんだ、いじめなんか」
「何かを変えればいじめがなくなるなんて、いじめを知らない人の綺麗事だと思う。」
「理屈なんかないのがいじめなんだから、そんなところからはすぐにいなくなった方がいい」

 

その父親は、昔、いじめを受けていたとのこと。
結局そのまま高校にも入学しませんでしたが、その後大検を受け、公務員にまで上り詰めた人でした。
 
「小学校や中学校の世界なんて、偶然巡り合わさった、みじんこくらい小さな世界」
「一つの小さな世界に固執して、苦しみに耐えなきゃいけないなんて、全く持って建設的じゃない」
「最初から親の都合で決められた学校なんだから、子供がその学校で苦しむなら、親が救ってやらないとだめ」

 
自分がいじめに遭っていたからこそ、辿り着いた結論。
でもその結論は、いじめに苦しむ息子を救う結論だったのでしょう。
 
「引っ越すまで、学校に行かなくていい」
「引っ越したら、楽しい学校生活がきっと待ってる」
「だから、今は胸張って一緒に逃げよう」

 
今回、この父親の方に匿名でお話しを伺うことができました。
その後結局、通勤時間が1時間以上かかる家に引っ越したとのことですが、結果的に子供へのいじめはなくなり、今は毎日学校に楽しく通っているようです。
 
話しを伺う中で、いじめに対する想いがとてもまっすぐで、改めて大人が考える「いじめをなくすための行動」を考え直す機会となりました。
どうしても、綺麗事でいじめがなくなると思い込んでいる人が多いのではないか?
そんな風にまで感じるようになったのは、この父親の言葉にとても深みがあったからでしょうか。
 
もちろん、このように子供のために引っ越し、という行動は誰にでもできる行動ではないかもしれません。
でも、子供を想い、「逃げる」という選択肢をしっかりと作ってあげたこの父親は、とても素敵な考えを持っているように感じました。
 
あなたはこの出来事、どう思いますか?
 


Writing by Yuki Kato of Cadot


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