司会も私の友達にお願いしていて、「さあ、ここで新婦から両親への手紙です。ご両家のお父様、お母様、新婦様の前へお願いします。笑顔で感謝の気持ちを伝えましょう!」
旦那の義父母に挨拶をして、ママへの手紙を読みます。
本当に号泣でした。
ママへの文章が終わり、パパへの文章の手紙を手に取ります。
「パパへ・・・、パパは・・・パパは私に凄い優しくて・・・」
言葉が詰まりました。
あんなにたくさんたくさん書いたのに・・・。
ママの手にはパパの遺影。
ママの大粒の涙がパパの遺影に落ちて、まるで遺影のパパが泣いているみたいでした。
「パパ・・・、パパ・・・、・・・・・」
ふと司会の友達を見ると、「何分でも何時間でも時間をかけていい!天国の大好きなパパに気持ちを伝えろ!頑張れ!」とカンペが出ていました。
振り絞って声を出しました。
「パパ・・・、ずっとずっと大好きです・・・。パパ・・・」
もう何も言えませんでした。
伝えたい事はたくさんあるのに・・。
そんな時です!
「なっちゃん!なっちゃ~ん!」
「えっ?パパの声???」
幻聴かと思いました。
司会の友達が、「さぁ~ここで、サプライズです!新婦のお父様から天国よりお祝いのメッセージが届いて・・・届いており・・・ますので・・・み、皆様も正面の大型ビジョンを、ご、ご覧下さい・・・。」
司会の友達も泣いていました。
私は訳もわからず大型ビジョンに目を向けると、そこには大好きだった亡くなる前のパパの姿が映っていました。
気付くとママが横にいて、ギュッと手を握り、「目そらしちゃダメだよ!」
なぜか、パパは病院のベットで当時お気に入りだった、アディダスのジャージ姿で映っていました。
「ママ?話してい~い?」
「もう始まってるんだけど(笑)早く言いなよ!」
懐かしい・・・。パパの声だ・・・。
「えぇ~、なっちゃん!結婚おめでとう!」
私はこの時、まったく意味がわかりませんでした。
「えぇ~、なっちゃん!結婚おめでとう!大人になったなっちゃんはママに似て美人になってるかな?」
この時私は横にいたママに「なんで?なんで?」
と何回も聞きましたが、号泣してるママに頭をビジョンにグッと向けられて、「黙って見る!」と怒られました。