産後の経過は順調。
そして妻が退院するタイミングになり、これから新しい人生がスタートという時期にも関わらず、男性はずっと出産時に倒れてしまって立ち会いができなかったことで凹んでしまっていました。
そんな様子に妻が気づいたのでしょうか。
退院した初日の夜に、男性の目を見てゆっくりと話してくれたのです。
倒れちゃったこと、そんなに気にしないで。
私はあなたが本当に立ち会って支えてくれようとしたことがよくわかるし、その気持ちが伝わったから私も頑張れた。
その結果子供も私も無事に出産を乗り越えられたんだし、それはあなたが支えてくれたお陰でもあるんだから、そんなに落ち込まないでほしいな。
俯く男性。
そう言ってくれて、救われた気持ちはありました。
でもやっぱり、倒れた自分が情けなくて、気持ちは晴れません。
しかし、妻はその後、そんな落ち込んだ気持ちを吹き飛ばす様な言葉を私に話してきたのです。
それに、忘れないでほしいの。
子供を産むってことは、あんな風に生死を彷徨い、血もドバドバ出して、経験したことがない程苦しみながら産むってことなの。
そしてそうやって産んだ子供を、私たちは生涯かけて守って、支えて、成長させながら育てていかなければいけないの。
だから、どんなことがあっても、私たちは強い覚悟を持って子供を育てていくって気持ちを持たないと。
立ち会いで倒れて落ち込むとか、子育てで一つミスとして落ち込むとか、そんなこと多分これから先言ってられない。
どんなことがあっても、子供を育てていかなければいけないんだから。