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電話越しに憤りを隠せない父親。
インターネット経由での申し込みではありましたが、予約を承ったとの連絡もきており、確かにツアーを手配してもらっていたはずでした。
 
しかし旅行代理店は、「フライトが確保出来なかったのでキャンセル料無料のキャンセル扱い」と、なんとも身勝手な弁論を繰り返します。
 
同日でのツアーの代替商品もなく、日付が大きく異なるツアーしか手配できないの一点張り。
遂にその家族は泣き寝入りをし、ツアーをキャンセルする他はありませんでした。
 
父親としても、せっかくの長期休みの家族旅行。
みんな楽しみにしているのに、こんなに心苦しい事はありません。
 

その日の夜、家族のみんなに、重々しい雰囲気の中、旅行にいけなくなった事を打ち明けました。
子供はがっかり。
奥様も「そっか・・・」と落ち込んでしまいました。
 
しかしその後、奥様が話を切り出します。
 

「でもいつまでもくよくよしててもしょうがない!」
「せっかくみんなが一緒に過ごせるんだから、行けるところでどこかに行こう!」

 
明るくみんなに話をする奥様。
もちろん、子供も含め、海外旅行を楽しみにしてました。
でも、そうは言っても、行けないのだから仕方がない、代わりにどこかに行こうと言うのです。
 
落ち込んでいた父親も、
 
「じゃあ、一人ずつ、行きたいところをあげていこう」
「ちょっとハードだけど、行きたいところに全部行こう」

 
と、子供たちから意見を聞くのでした。
 
その場で話し合い、結局ディズニーランドや海といったいろんな観光地に行く事が決まった家族。
その話の最後に、奥様が、こんな提案をしたのです。
 

「一つだけ、みんなにルールを作ろう」
「おでかけ中、誰かつまらなそうだったり、サイパン行きたかったなーって顔をしてたら、その人を全力で笑わそう」
「そしたらずっとみんな楽しく過ごせるでしょ」

 
この提案に、家族みんなが同意します。
こうして、長期休みの予定は、180度形を変えるのでした。
 
しかし、この家族に待っていたのは、「最高の日々」だったのです。
 
約束通り、ちょっとでもつまらなそうにしてると、誰かが絶対に笑わせてきます。
ずっと笑いっぱなしのおでかけは、家族みんな笑顔を絶やす事なく、最高に楽しい思い出となったのでした。
 
そんな素敵な長期休みを過ごして、父親は、
 
「どこに行くかより、みんなで笑顔で過ごす事が一番大切」
 
と思ったそう。
サイパンにいけなかったことは、とても残念でしたが、それ以上に家族みんなで笑顔で過ごした時間が楽しく、今までにない素敵な時間を過ごせたというのです。

 
これからGW。
どこに行くかで悩んだり、時には揉めたりしながら休みの計画を立てたりする人もいると思います。
でも一番大切なのは、その具体的な中身よりも、「一緒にいる人と共に笑顔でいれるかどうか」ではないでしょうか。
 
そんなことを感じさせてくれる、とある家族の話でした。
皆様、素敵なGWを過ごしてくださいね☆
 


Writing by Yuki Kato of Cadot


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