「お客様は神様です」という言葉が生まれたのは、1961年
元浪曲師であり、演歌歌手の三波春夫さんと漫談家の宮尾たか志さんの対談の中で、「お客様は神様です」という言葉が生まれたのでした。
三波春夫さんは、演歌歌手。
この時表現した「お客様」というのは、聴衆・オーディエンスを指しています。
三波春夫さんの言葉では、
歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な芸をお見せすることはできないのです。
(中略)
また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。
だからお客様は絶対者、神様なのです
と、「最大限のパフォーマンスを発揮するために、神様の前に立つような気持ちでお客様と向き合う」という意味合いが、この「お客様は神様です」という言葉に繋がったのでした。
つまりそれは、「無条件にお客様を神様と崇めるということではない」ということ。
こうした生まれた言葉が、段々と形を変えて、誤認させる形で世の中に広まっていってしまうのです。