いつも元気だった息子に異変が現れたのは、平日の朝。
家族で朝食を食べている時でした。
いきなり気絶したように倒れ、口から泡のようなものを吹いたのです。
救急車で病院へ運ばれ、詳しい検査の結果、余命宣告をされました。
本当にいきなりの事。
一瞬で何が何だか分からなくなり、目の前が真っ暗になりました…
涙が出るわけでもなく、崩れるわけでもなく、ただひたすらそこに立っていました。
受け入れ難い事実に家族全員が動揺し、明るかった家は一気に暗くなり、生きる目標さえも失ったかのような日々。
しかし、当の本人の息子は違ったのです。
私たちは息子に重い病気だと言う事は伝えましたが、余命の事は告知していませんでした。
ただ、息子の中では恐らく気付いていたのでしょう。
いつも以上に明るく振るまい、そして私達を気遣う様に逆に優しく接してくれるのです。
そして治療が続いていたある日、私は息子から小さな紙切れに書かれた手紙を手渡されたのです。
「家に帰ってからお父さんと見てよ!」
そう言われ、約束した通りその夜に夫と一緒に息子から手渡された手紙を見てみました。
そこに書かれていたのは、私達が一切想像もしなかった、そしてそこで初めて夫と一緒に泣き崩れる事となった内容が書かれていたのです。