しかしそんな幸せな日々は長くは続きませんでした。
檻の中で小さな頃から長く過ごしてきたシロには、危険を察知して身構えるという感覚が欠けてしまっていたのです。
そしてその運命の日はやってきました。
12月24日、クリスマスイブの夕方のことです。
田舎の自然の中で生きられることとなり、これから幸せな日々が続くと思った矢先に、交通事故に遭い亡くなってしまいました。
実験室から保護されて僅か1年、推定年齢2歳という短い生涯が幕を閉じたのです。
しかしこの出来事はテレビや新聞で大きく取り上げることとなり、これをきっかけに後々犬猫の動物実験への払い下げが全国的に禁止されることとなったのです。
シロの生きた人生は2年という短い時間でしたが、それが社会にもたらした影響は計り知れません。
こうしている間にも、シロのように実験室で辛く苦しい思いをさせられている動物はまだたくさんいます。
このシロのような悲痛な運命を辿る動物を今後出さないためにも、私たちがこういった機関や施設の仕組みを一人でも多くの人が理解をすること、目を光らせておくことが、大切なのではないでしょうか。
Writing by Y.sato of cadot
出典:ハンカチぶんこ「実験犬シロのねがい」より―問われる動物実験
810cojp
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