手術は数時間行われました。
やがて医師が満足げな表情で手術室から出てくると、父親にこう言いました。
「手術は成功しました。息子さんは危機を脱出しましたよ!」
そして彼は父親の反応を待つことなく、時計をちらりと見て、その場を走り去りながらこう声を掛けました。
「他に何かありましたら、看護師を呼んでください!」
父親はこの医師の対応に憤慨し、近くにいた看護師に話しかけました。
「あの医者はいつもあんな感じなのか?なんて傲慢なやつだ!もう少し息子の状態について私に説明する時間を取ってもいいじゃないか!」
すると看護師は、なんと目に涙を浮かべて父親にこう話します。
「実は彼の息子は昨日、交通事故で亡くなったんです。手術に呼ばれたとき、彼は自分の息子の葬儀に出ている最中だったんです。あなたの息子を助け、彼はこれから埋葬される自分の子どものもとに戻るんですよ・・・」
私たちが人を判断するとき、その人が過去にどのようなことを経験してきたか、どんな問題を克服してきたか、などについて思いを巡らすことはあまりないかと思います。
特に非常事態であれば、目の前で起きている事象が全てだと思います。
そのため、思わぬ対応を受けてしまった場合、どうしても起こってしまうことがあるかもしれません。
人を簡単に判断せず、たとえそれが面識のない他人であってもその人のことをより深く理解するべき、ということを改めて必要だと感じてしまう、エピソードをご紹介しました。
Writing by S.Shingo of cadot
出典:heftig.co
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