セイディちゃんの血糖値が100以下と低くなったとき、ヒーローくんは唸り声をあげ、両親の手に左前足を置くという行為を行います。
逆に血糖値が200を超えるような高さになったとき、右前足を置く訓練を受けています。
そのため、両親が毎回セイディちゃんの血糖値を測る必要がなく、ヒーローくんの嗅覚を頼りにセイディちゃんの血糖値を予知していました。
ある日のことです。
セイディちゃんが自宅から8キロ離れた学校で特別授業を受けていたときのことです。
出かける前のセイディちゃんの血糖値は正常でした。
しかし、セイディちゃんが学校に行ってから30分後、家にいたヒーローくんが突然鼻を鳴らし始めたのです。
普段ヒーローくんはとてもおとなしい犬。
このときは明らかに様子がおかしかったといいます。
そして、しばらくし、ヒーローくんはセイディちゃんの血糖値が低くなっていることを、左前足を使い母親に知らせたのです。
母親はこのときは半信半疑だったと言います。
なぜなら、5キロも離れた場所にいるセイディの臭いを感じ取れるはずがないと思ったからです。
とはいえ、念のため学校にし、セイディちゃんの血糖値を確認してもらうように先生に頼みます。
すると、セイディちゃんの血糖値は82まで下がっていたのです!
学校を出かける前に確認した時は122と正常値だったのにもかかわらず、わずか30分の間に昏睡状態になってもおかしくないレベルまで血糖値が下がっていたのでした。