「奨学金」の仕組みにゾッとする…”死”んでも”自己破産”をしても逃げられないリアルな実情とは

2016.09.08 topics

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日本学生支援機構が回収を強化したことも”自己破産”が増えた原因の一つ

 
奨学金制度で最も知られているのが、国の独立行政法人である「日本学生支援機構」です。
 
「日本学生支援機構」は国からの予算と、利用した卒業生の返還金によって運営されているのですが、この組織が奨学金の回収を強化したことが若者の自己破産が増えている原因の一つだと考えられています。
 
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しかし、日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長は回収が強化された背景について、このように回答されていました。
 

 
「回収が厳しくなったというよりは、通常の金融の枠組みで仕事をするようになったとご理解いただければ。一番苦しいのは日本学生支援機構なんです。若者の給与水準の低下の中から回収していって次の世代の貸与原資をひねりださなければいけない」

 

 
専門的に学問を突き詰めている大学院生の半数が奨学金を借入し、4人に1人が500万円以上の、10人に1人が700万円以上の借金を抱えているいるのだとか。
 
この現状を見ていると、そこまでして果たして大学や大学院に行く必要性があるのかがいささか疑問に感じてしまいます。
 
そして、日本学生支援機構の発表によると、平成27年1月の時点で奨学金を利用し返済しているのが約329万人、それに対して1日以上の延滞者は約32万人、3か月以上延滞している人は約17万人もいるとのこと。
 
全体の10分の1もの人が延滞をしている現状をみると、その事態の深刻さが伺えます。
 

本人が自己破産をしても、家族に請求が…

 
最近増えているのが親子揃って自己破産をしてしまうというケース。
 
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奨学金を借りる際に、連帯保証人と保証人が必要となり、借りた本人が返済が出来ず「自己破産」をしてしまうと、連帯保証人→保証人という順番に請求がいき返済を余儀なくされてしまいます。
 

 
次男が850万円の奨学金を返済できず、自己破産。連帯保証人だった父親に一括請求されましたが、父親自身もそんな余裕はありません。民事再生という方法で200万ほどに減額し、分割で払うことにしました。払えなかった残りの600万円は、保証人となっている別れた母親の元に請求が行きます。

 

 
さらに最悪なのは次のケースです。
 

 
わずかな年金で暮らす釧路市のAさん(80歳)夫妻は昨年3月、日本学生支援機構から265万円の支払いを求める法的手続きを起こされて驚愕した。10年前に病死した息子の「奨学金」だった。支援機構から長年連絡はなく、寝耳に水だった。265万円の内訳は、残元本が107万、それに150万円もの延滞金が加算されていた。支援機構には「死亡免除」規程があるが、「手続きがされていない」「延滞した場合は適用できない」などと拒否、全額返せと言い張るばかり。

 

 
医療費がかさむ上、月20万円あまりの年金で細々と暮らす老夫婦には貯蓄もなく、残されたのは絶望感だけでした。
 

この奨学金の厳しい現状に対するネット上の反応

 
 


 


 


 
将来の夢のために奨学金を借りたとしても、卒業後の給料から長年に渡って返済していくことに不安を抱えざるを得ない若者たち。奨学金返済の心労ストレスから体を壊し働けない状態になり、返済不可→自己破産となってしまう現状。
 
学生支援機構の奨学金という名に惑わされ、抵抗なく借りてしまう人が多いようですが、その実態は取り立ての厳しい「奨学金ローン」です。
 
学生支援機構がこうした厳しい取り立てを行う背景には、公的な教育資金が足りておらず、奨学金制度にあてる財源が不足している現状が背景にあります。
 
それを裏付けるかのように、日本学生支援機構の奨学金制度を利用する奨学生のうちの約7割は有利子の奨学金制度を利用しており、その財源の多くは、民間借入金、財政融資資金、財投機関債といった外部資金。
 
日本学生支援機構が資金を集めるには、貸付金の回収率を高めて出資者の信用を得る必要があり、その結果、今問題になっているような強行的とも思えるような取り立てが行われてしまっているのです。
 
この日本社会の抱える構造的な問題のせいで、未来のある若者たちの芽を摘んでしまっていいのでしょうか。
 
年々増加傾向にある学費の引き下げ、奨学金制度の根本的な見直し、公的な教育資金の増額を求める動きの必要性を強く訴えたいと思う次第です。
 


Writing by Y.sato of cadot


出典:独立行政法人日本学生支援機構


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