僕は、当時社会人1年目。
仕事に慣れ始め、ようやく落ち着いたといった状況でした。
彼女とは大学時代に出逢い、長い友人関係から恋人に発展したので、交際期間の長短よりもお互いの事をよく知れている関係。
そんな彼女のカバンの中からふと顔を覗かせていた”モノ”
それは、婚姻届。
一瞬、目が点になりました。
何故そこに婚姻届があるのかも理解出来ませんでしたが、一瞬でその後の展開を想像した僕…
彼女の口癖は「早く結婚しようよ」「いつプロポーズしてくれるの?」日頃から結婚の催促を受けていた僕は、その婚姻届を見て「こ、これは…逆プロポーズ!?」と悟りました。
そして頭の中は大炎上中。
ここからは、僕の”知らないフリ劇”の始まります。
平和なデートが一瞬にして、人生最大の決心を迫る場へと変わろうとしていました。
「どうしよう…」
「今日か?今日なのか…?」
そうこう思っているうちに、彼女がトイレから帰還。
そして一発目から失敗。
「おっかえりー」
と、明らかに焦りモード全開な対応をする僕に彼女は
「何それ?」
と、当然そうなるであろう呆れ顔で応対。