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横並びに6人くらいの男性が、少し下り坂になっている道の前方から走ってきました。
男性用の和装をきた人々。
雪景色の中和装の人が走ってくるというなんとも不思議な事態に、少しなんだろうと興味を持って見ていました。
 
そのままずっと走ってきて・・・
「あれ?こっちに向かってる?」と思うと、その数秒後にはスリップした私の車の元へ。
そして車の窓を覗き込んできたので窓を開けると、
 
「大丈夫ですか?」
 
と声をかけてきました。
 
その人たちが何の人かもわからないまま、「ハイ」と答えると、その男性が「一度車を動かしましょう」と言い、車の後ろに他の人たちを動かします。
そしてみんなで一気に車を押し、はまっていたところから抜け出させてくれたのでした。
 
その後はその男性の指示通り、車を動かし、なんとか雪がすごい道の部分を抜けることに成功。
ほっとしたのと同時に、全く見ず知らずの人たちがこうやって助けてくれたことに、とても感謝の気持ちでいっぱいでした。
 
「本当に助かりました。ありがとうございます」
 
そう伝えると、ずっと指示を出してくれた男性は、驚きの言葉を口にしたのです。

 

「○○(私が宿泊する旅館の名前)は、あと500m程まっすぐ行ったところです」
「スピードを出さずに、ゆっくりとお進みください」
 
思わずびっくりして「えっ?」と声を出してしまった私。
なんと、スリップした私を助けてくれたのは、私が宿泊する旅館のスタッフの方々だったのです。
 
そして私はそのまま車をゆっくり進めていきます。
当然、助けにきてくれた男性たちは、そのまま雪道の中を歩いて旅館に戻るのでした。
 
旅館に着いてから、どうして私がスリップしたのを知っていたのかと聞くと、これまた驚きの回答が返ってきます。
どうやら、私の車がスリップしているのを、他のお客様が見たらしく、旅館の方に漏らしたらしいのです。
もちろんこの時、そのスリップした車がここに宿泊する人の車かどうかなんてわかりません。
でも、それでも「助けてあげないと大変だから」と言いながら、6名ものスタッフをその場に走らせたのでした。
 
そして事前に駐車場に車を止める為に控えていたナンバー表を一人のスタッフが持っていたらしく。私の車のナンバーから私が宿泊者であるというのがわかり、この旅館の案内を伝えてくれたのです。
 
宿泊者に対しても、宿泊者じゃない困っている人に対しても、なんとも配慮が感じられる姿勢や対応に、すっかり魅了されてしまった瞬間でした。
それ以外にも、街中の人たちがとても優しく、車はスリップしたものの草津には良い思い出しかありません。
温泉も最高に素敵なので、ぜひみなさま一度足を運んでみてください。

 


Writing by Yukitaka,H of cadot


画像引用元:jrtlikupapa.blog


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