病気になるも飼い主から見放された犬。その犬が息を引き取る直前に、飼い主に見せた最大限の行動に驚きと涙が止まらない

2015.10.25 impression

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三が日のその日は、うちに親戚が数人集まって、みんなで食事をする日でした。
外には珍しく雪が降っており、元気もなかったムクは、自宅の玄関に毛布を置いて、そこで横になっています。
私はムクの事ばかり気になっていましたが、ムクはずっと、玄関の先に見える居間にいる母の方ばかりを見ていました。
 
お昼に差し掛かった後くらいの事でした。
滅多に鳴かないムクが、「くぅーん」と鳴き出します。
すぐに気づいた私はムクの側に駆けつけましたが、ムクは相変わらず母の方を見ながら、まるで母に投げかけるように鳴き声をあげるのでした。
 
いてもたってもいられず、母のところにいき、
「ムクがお母さんを見ながら鳴いてる」と言いました。
最初は取り合ってくれなかったものの、3度ほどいうと母が「トイレでもいきたいのかね」と言いながら、ムクの元に行き、玄関の扉を開けるのでした。
 
ムクは少し元気そうにスクっと立ち上がり、母に擦り寄る仕草を一度見せながら、足早に外へ入っていきます。
母は「ほらね」という様に扉を閉めると、居間の方へ戻っていきました。
 
玄関で、ちょこちょことドアを開けながら、ムクが戻って来るのを待つ私。
パラパラと雪が降る外に、ムクの姿は中々映りません。
 
10分、15分と時間が経つけど、ムクが戻ってこない事に、強い不安に駆られた私は、一度外に出ます。
 
すると、庭の奥の方に、息絶えているムクがいたのでした。
一人で、雪の中、倒れているムクの姿が。

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