脳疾患のため28歳で亡くなった弟。周りが冷たい態度を取る中、優しく手を差し伸べ続けてくれていたヤンキー君の存在に涙が止まらない。

2015.11.21 impression

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私の弟は28歳で亡くなりました。
 
脳疾患持ちで、合併症により15歳まで生きられない、20歳まで生きられれば幸いと、医者からは言われていました。
 
よくぞ28歳まで生きたものです。
 
弟が小学5年生のとき、無理を言って普通学級に編入させてもらったときのこと。
弟にケイタ君という友だちができました。
家庭に事情のあるケイタ君は、5年生ですでにゲームセンターに入りびたり、タバコを吸うような早熟な不良でした。
 
そんなケイタ君、なぜか弟の面倒だけはとてもよく見てくれました。
 
子どもは残酷なもの。
クラスの中に呼吸器を引きずったクラッチ付きの子に、決して寛容ではありません。
 
弟は男の子からも女の子からも、陰湿なことをされました。
しかし、それはケイタ君がそばにいない時だけでした。
   
「ケイタがね、『いじめられたらすぐに俺に言え、お前は俺の舎弟だからな』
 だって。でも舎弟ってなんだろね。子分のことかな?」
  
弟はいつも家に帰ると、母と私にそう言ってました。
 
修学旅行に行く途中で弟がそそうをしてしまったとき、一斉にはやしたてた同級生を尻目に、ケイタ君はシモの世話さえしてくれたのです。
 
6年生の男の子がです。
 

 

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