結婚させてください。
僕たちに力を貸して下さい。
もちろん彼女の親も最初は反対しました。
しかし彼女の強い意思に負け、一緒にお腹の子どもを守りながら病気と戦ってくれることに。
そして僕たちの結婚も認めてもらいました。
彼女と何件もの病院を回り、お腹の子を守りながら彼女の病気と戦ってくれる先生を探しました。
一緒に頑張りましょうと言ってくれた先生に出会ったのは、僕たちがあきらめかけようとした時でした。
僕たちは藁をもすがる気持ちでその先生にお願いしました。
リスクがかなりあること。
もしものときはお母さんか子供のどっちを優先にするか、その決断を下すのは
僕だということ言われました。
そして彼女は迷わず子供を優先してほしいと僕に言いました。
私の分身を産むから、私の分まで長生きしてくれたらいいの。
この子にはこれからたくさんの幸せな事が待っている。
ごめんね。私のワガママに付き合わさて。
でも、あなたの子どもだから私は産みたいの。
あなたにはたくさん迷惑をかけると思う。
ごめんね。
もし私に万が一の時は赤ちゃんをよろしくね。
「いやだよ。なんでそんなこと言うんだよ。死ぬなよ 。
イヤだったら死ぬなよ!」
僕は目の前でまだ生きている彼女を見ているのに、そんな言葉を受け止められませんでした。
「そうだよね。ごめんね。なに弱気になってんだろう。ごめん。」