ガス室が満杯で死を逃れ、別の人生を歩むことになった子犬。6年後の勇ましい姿に人間は頭が上がらない。

2016.04.22 impression

sam

 

2010年11月。
紛争や災害の人道支援をしているNGO「ピースウィンズ・ジャパン」のスタッフが夢之丞に出会ったのは、広島県にある動物愛護センターを訪れた時でした。
 
ふと目にしたガス室前に置かれた処分用ケージの中で、生後3〜4ヶ月の子犬が小さくうずくまって震えていたそうです。
 
その子犬はガス室が満杯になったことによって、殺処分される日が翌日へと延期されたところでした。
 
この子犬は恐怖からか表情は一切無く、抱え上がると殺処分の順番と思ったのか、体を震わせて失禁してしまったとのこと。
 
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ピースウィンズ・ジャパンはこの子犬と、他にも子犬を数匹譲り受けました。
 
目的は災害救助犬の育成。
 
この奇跡的に殺処分から免れた子犬は、通称ドリームボックス(殺処分設備)から生還し、夢と希望を託す意味で「夢之丞(ゆめのすけ)」と名付けられました。
 
しかし、最初は心を閉ざしてしまい、人間への恐怖心からケージから出てこれないほどだったそうです。
 
そんな状態が続き、人間に対する不信感が和らぐのに1年かかりました。
 
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この臆病な性格から夢之丞は救助犬には向かないと言われていましたが、4年の訓練を乗り越え、有能な救助犬へと成長していったのです。
そして、2014年、ついに初めての出動を迎えました。
 
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