飛行機の中は、総じて少しにぎやかであった。
赤ん坊は泣き、中国人の会話の声は大きい。
そう考えると、あの「男性3人」は、特段気にならない楽しみ方をしていた様に思える。
しかし、その「客室乗務員」は違ったようだ。
飛行機内でお酒を楽しむ男性3人。
一人がもう一杯頼もうとした時、客室乗務員はその近くにいる人全員に聞こえる様な大きな声で、男性たちに話しかける。
「もう、あんまり酔っぱらわないでくださいね!周りの人達に迷惑かかりますから!」
初めからテンションは高い感じだったので、既に飲んでいたのか、そもそものテンションがこの程度なのか、少なくとも筆者の席からはわからない。
しかしその中、2杯目を注文しようとした男性を大声で「酔っぱらい」扱いした事に、私の中で強い違和感・・・いや、不快感にも似た感覚を覚えた。
男性はあまり気にいない素振りで「大丈夫です」と一言、結局客室乗務員はお酒を渡し、前方へ。
しかし客室乗務員が去った後、「何でこんな扱いなの」と小声で不平を述べていたのを、かすかに聞き取る事ができた。
同乗していた、隣の妻に、「あの人たちより、前の人(子連れの中国人家族)の方がうるさいよな?」と聞くと、コクリと頷く。
どうにも腑に落ちない、違和感を感じざるを得なかった。
その後、再びトラブルが。
飛行機が着陸の為に降下を開始し、アナウンスで立ち上がらない様指示が出た直後の事。
「トイレ行き忘れた」
「間に合うかな?」
「CAに聞いてみる?」
そんな会話が男性3人組から聞こえます。
通路側に座っている男性が、CAを呼ぼうと少し中腰で振り返った直後・・・
先程の客室乗務員が、
「何やってるんですか!」
と先程よりも大きな声で男性のもとへ。
「あなた達いい加減にしてください!」
「アナウンス聞いてなかったんですか!」
「だから酔っぱらわないようにって言ったじゃないですか!」
と、男性3人も表情が曇る程の大声で、男性を注意したのでした。
「だから聞こうとしたんじゃないですか」
通路側の男性もたまらず返答。
すると被せ気味で再び、
「ダメですよ、アナウンス聞いてなかったんですか!」
「座っててください!報告しますよ!」(※何に対してかは不明)
と注意をします。
その他二人の男性も、流石に不満を持ったのか、
「なんだ報告するって」
「しろしろ」
「つーかなんでこんな目の敵にされなきゃいけないの」
「意味わからん」
と不満を口にします。
しかし、その客室乗務員よりも、遥かに小さな声で。
男性達が表現した「目の敵」という表現に、とてもしっくりときた部分がありました。
果たして、男性3人組は、他の乗客と比べて、うるさかったのか。
他の乗客より、酔っぱらっていたのか。
他の乗客に迷惑をかけていたのか。
もし仮に、通路を挟んだ隣にいた私が気付かない様な、マナー違反をしていたなら、確かにそれは注意されるべきでしょう。
でも、それならば、周囲に気付かれない様に、
「お客様、周囲のお客様がいらっしゃいますので、少し声のトーンを下げて頂けますか」
と、なぜ言えないのか。
少なくとも、誰よりも大きな声で、周囲の人に聞こえる様に、この男性3人組を「酔っぱらい」と決めつけて注意をするやり方に、大きな違和感を感じました。
マナーを注意するのは、大事。
しかし、その注意する人間にも、「マナー」が必要なのではないでしょうか。
Writing by Masako Yamaguchi
画像引用元:bakadaisyou.at.webry.info
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