飼い主から見放された、病弱の犬。それでもその犬は息を引き取る直前に、飼い主への最大限の想いを示す驚きの行動をするのであった

2015.03.14 impression

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私が4、5歳ほどの年齢の時の話です。
今現在はすでにもう両親を亡くしているのですが、幼少期の母は恐らく気を病んでいて、我が家ではやたらと犬を多く飼っていました。
多い時は、一度に10匹近く飼っていたと思います。
 
その中に、「ムク」という一匹の犬がいました。
少し、病弱。
でもモコモコして、少し足が短くてけてけと歩くムクが、私は大好きでした。
 
でも私がやたらとムクに懐くからか、母はムクのことをあからさまに嫌います。
ムクは、母のことが大好きで、よく母が庭にくると尻尾を振りながら母に近づいてきます。
しかし母はそんなムクには一切見向きもせず、他の犬ばかり可愛がるのです。
 
幼心ながらに、「お母さん酷い」と思いましたが、ちょっとでも自分の思い通りにならないと怒る母に、子供の私は何も言えませんでした。
 
そんなある日、ムクに異変が起きます。
散歩中の尿が、真っ赤だったのです。
 
「血だ!」
 
子供の私は母に急いで話し、ムクから血が出てるとなんども訴えました。
でも母はまともに取り合うことがなく、そのまま病院にも行かなかったのです。
 
その後は見るみる内に元気が失くなるムク。
そして忘れもしない、正月のあの日を迎えるのです。

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