公務員で働く私と、専業主婦で家庭を支えてくれる妻。
ちょこちょこと喧嘩はするけれど、お互いがお互いを想いやる、仲の良い夫婦でした、
そんな私が、二人の関係を良いものにするために頑張っていたモノ。
それは、月に一度、私が妻に料理を作る「奥さん孝行の日」。
毎月10日は、必ず自宅で、妻の好きな料理を作るという、我が家庭の独自の記念日でした。
結婚してから、このイベントを迎えて2年。
今月もいつも通り、仕事終わりにスーパーに寄り、食材を買い込みます。
妻は、チーズが好き。
私もチーズが大好きなので、毎月チーズを利用したイタリアンや創作料理を妻に作っていました。
「さぁ、今日は○○を作ろう」
意気込んで自宅に帰る私。
しかし、自宅の玄関の扉を開けると、そこにはどんよりとした雰囲気の明かりが。
その奥には、妻が呆然として立っているのでした。
「おかえり・・・」
並々ならぬ妻の雰囲気に、大きく戸惑う私。
「どうした?」と聞くと、妻の重々しい口が開き、私に言うのでした。
「実は、言わなければいけないことがあるの・・・。」