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「何もありません」と、保安員の質問に対して頑なに言い張る彼。
焦りながらそう言い張る彼に、私も少しおかしいな…と思っていました。
 
何もないのなら開けて見せればいいし、何でそんなに隠したがるんだろう…そうこうしている間に、飛行機の出発時刻がどんどん近付いてきます。
 
保安員も、明らかに何かを隠している様子の彼の態度に余計不審感を強め、ついに強制的に箱を開けると言い出しました。
彼も、さすがに観念したのか箱を開ける事を承諾。
ずっと側でやり取りを見ていた私は、何が入っているのか気になり彼が箱を開ける姿をじっと見ていました。
 
渋々箱を開けて中身を取り出した彼。
頑なに開ける事を拒否していた、その箱の中身は何と、婚約指輪だったのです。
 
何もないと言い張って隠していた理由は、旅先で私にプロポーズをしようと内緒で持ち込みたかったからなのだとか。

 

 
ごめん。
サプライズを計画してて、絶対にバレたくなかったんだ。
でも、これじゃもうサプライズにならないよな。
 
こんな場所でになっちゃうけど、俺と結婚してほしい。

 

 

保安員から箱を返してもらい、指輪を取り出すと彼はそのまま保安検査場の個室でプロポーズをしてくれました。
 
まさかの、旅先ではなく出発時のトラブルからのプロポーズ。
結果的に、私にとっては十分すぎる程のサプライズプロポーズとなりましたが、「はい、お願いします」と答え、嬉しさのあまりその場で泣いてしまいました。
 
ちょっと不器用な彼のプロポーズは、私にとって一生忘れる事の出来ない最高のサプライズです。

 


Writing by Maiko Yamori


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