娘が来る日。
家のインターホンがなると、駆け足で玄関に走ります。
扉を開けると・・・
そこには、かなり大人になった娘がいました。
それでも10年前の記憶がフラッシュバックします。
「久しぶりだね、元気してた?」
「あがって」
娘に声をかける私。
しかし娘は、なんと、
「いや、もう行くから大丈夫」
「ゆっくりするのはまた今度」
と、10年ぶりの再会にも関わらず、すぐにその場を去るというのです。
戸惑いを覚える私。
どうして・・・
そんな事を考えていると、娘は、
「コレ渡しにきたんだ」
「コレあげる」
と、右手に持っていた、何か小さな白い箱の様なものを差し伸べてきたのでした。