そんな出来事があった後、町内会の予定があり、多くの住民が集まる機会がありました。
たまたま直近でそうしたペットの騒動があり、町内会に参加した人の中の一部でも、そのペットについての話が少しされます。
その話をしているところに遅れながらにやってきたのは、ペットの飼い主の奥さん。
ペットの騒動の話をしていた女性が、いい機会だと思い、ペットの飼い主である奥さんに勇気を出して話しかけるのでした。
「この前、わんちゃん、逃げ出しちゃったんですってね」
「○○さんのお子さんがたまたま公園にいて、わんちゃんに吠えられて大泣きしちゃったみたいですよ」
大泣きしたお子さんの両親は、その場の町内会の中にはいませんでした。
だからこそ、今度会った時に、直接謝罪をしたほうがいいと思ったのか、そうした出来事の説明をする女性。
しかし、飼い主の奥さんの口から出た言葉は、なんとも他人事な言葉だったのでした。
「そうみたいねぇ」
「いつもうちのバカ犬がすみません」
笑いながら言われた言葉。
しかしその言葉に、反応した人がいたのです。
逃げ出した犬に強く吠えられ、大泣きしてしまった子供がいたことを飼い主に伝えた女性。
しかし飼い主は、それに対して「犬が悪い」と言わんばかりの態度を取り、我関せずといった状態でその事実の話しを受け流していました。
ところが、その後、事態が一変することになります。
その話しを聞いていた、町内会長。
町内会長はスッと真顔になって、飼い主と女性の元に近寄り、飼い主に向かって問いかけるのでした。
「バカ犬って言いましたが、その犬を飼ってるあなた自身の責任は、どう考えているのですか?」
「しっかりとしつけをすることもなく、好き勝手な行動を許してしまっているあなたに、犬をバカなんて言う権利はあるんですかね」