それから月日は流れ、給料は安いものの、それなりに待遇の良い会社へ再就職。
そして幸福にも子供にも恵まれました。
ある時、ファミレスに家族で食事に行った時、子供の世話をする嫁さんとその皿を見て、ふと思い出したのです。
「あぁ俺、あの時の父親と同じことしているな」
その時、当時思っていた、
「俺も面倒をみてやろう!嫁さんに暖かい食事を食べさせてやろう」という気持ちを思い出し、奥さんに言いました。
「俺が面倒みるから、お前、先に食えよ。」
家にいても滅多に子供の面倒を見ることのない夫からの言葉に、奥さんは驚いた顔。
しかし、奥さんは
「悪いから・・・」と遠慮します。
「いいから、ほら」
と奥さんの手から娘用のスプーンを取り、娘に食べさせたそうです。