クリスさんは、このプラグラムに一生懸命取り組んでおり、自閉症について学んで得た知識をもとに、自閉症の子ども達にあった犬のトレーニングを考案。
自閉症の子ども達向けのコンパニオン・ドッグの育成というのは、まだあまり存在しておらず、刑務所内のトレーニングセンターでも、耳や目の不自由な人のためのコンパニオンドッグのトレーニングが主に行われていました。
クリスさんはそこで、自閉症の人向けのコンパニオンドッグのトレーニングを開始したのです。
刑務所に出向いて殺人犯に会うなんて・・・
初めは乗り気ではありませんでしたが、初日のセッションで、ザックくんはこのチョコレート色の犬が、自分にとって良き相棒であることをすぐに感じとったと語ります。
犬の名前はクライド。
クリスさんがクライドに教えたのは、パニック症状を感知する方法でした。
ザックくんの心拍数が上がるのを感じたら、クライドは側に寄ってきて彼の気をそらす仕草をする。
これによってパニックを防ぐ、という仕組みです
ザックくんはその後、数回に渡って刑務所にいるクリスさんを訪ね、クライドとのトレーニングを行いました。
その結果、ザックくんは、
「僕のパニック症状は70%くらい減ったと思う。
近頃はリラックスしてることが多くて、学校で友達もできた。
今までは、友達なんて全くできなかったのにね。」
と語ります。
ザックくんの症状はすぐに驚くような改善を見せたのでした。