th_sauna

「すみません、人いっぱいなので起きてもらえますか?」

 
声を掛けようと、おじさんに手を伸ばすその男性。
ハァハァと言いながらもタオルで顔を覆っていて、こちらには気づいていませんでした。
 
そしておじさんの肩の付近あたりを、トントンと叩きます。
「あの、すみません」
しかし、その呼びかけにも、おじさんは無反応。
 
そこで少し違和感を感じた男性。
肩を揺すり、大きな声で「すみません!」と言います。
 
それでも反応なし。
男性はとっさに、顔に覆っていたタオルを手でどかすのでした。
 

「大丈夫ですか!?」
男性はおじさんを揺すり、大きな声で呼びかけます。
しかし苦しそうに「おぉぅ」というだけで、言葉は返ってきません。
 
「脱水症状だ」
 
そう思った男性は、サウナの入り口の近くに座っていた男性に、「すみません、スタッフさん呼んでもらっていいですか?」と頼み、スタッフを呼びに行かせます。
そして他の男性に手伝ってもらい、急いでサウナの外におじさんを運び、休ませるのでした。
 
するとその場にスタッフが来て、応急処置を行います。
結局そのまま、救急車で病院へ。
 
こうして、サウナで席を確保しようと話をかけた結果、そのおじさんを救うことになったのでした。
おじさんも命に別状もなく、後日サウナで男性に再会しお礼を述べたとのこと。
動けず声も出せずというような状況だったらしく、気づいてもらって本当に助かったと語っていたそうでした。
 
たった一つのコミュニケーションが、一人の男性を救った出来事。
確かに話しかけようとしたその内容は、少しトゲのあることでした。
しかしコミュニケーションをとらなかった他のお客さんは、誰もおじさんの脱水症状には気づいていません。
こうして会話をすることが、脱水症状で苦しむおじさんを救うことになったのです。
 
無事に助かってよかったと心から思う一方、やはり、現代社会には社会や人の繋がりが希薄になりすぎている様に思えてなりません。
人との繋がりって、本当に大事なものなんだと改めて感じました。
 


Writing by Misako Yamaguchi


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