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「お前、俺の女取ったな!」
そう声を荒げながら男友達に掴み掛かる元カレ。
 
仲良く歩いていた男友達を、私の新しい彼氏だと誤解したのでしょう。
 
「やめてよ!」
そう言いながら元カレを引き離そうとしましたが、私が男友達を庇った様に思えたのか、さらに元カレの怒りはヒートアップしてしまい収拾のつかない事態に。
あまりにも大きな声と争う光景に、周囲にいた学生も何事かとこちらを見ています。
 
男友達は、本当に仲の良い友達で男女の関係や感情などはありません。
ただ、この元カレと交際している時から色々と相談をしたり別れた後の事もずっと相談にのってもらっていました。
 

元カレの怒りが頂点に達し、今にも男友達に殴り掛かりそうになったとき・・・
黙って無抵抗だった男友達がいきなり元カレの腕を掴み返し、いつも穏やかな表情とはうってかわってものすごい剣幕でサラッと言葉を口にしたのです。

 

 
いやね、俺◯◯の友達だけど。

でもさ、あんたのそういったせっかちな所や横柄で幼稚な性格が◯◯を離れさせた原因じゃないの?

怒鳴ったって、殴ったって何にもカッコ良くないし女はそんなんじゃ惹かれないよ。
あんた顔イケメンなんだから、もっと色々落ち着け。

追っかけてばっかじゃどうしようもないだろ。
本当に◯◯の事好きなんだったら、もう少し立場考えてやれよ。
 

 

無抵抗だった男友達がいきなり反撃に出た事で、驚いた様子で言葉を失っていた元カレですが、その後掴んでいた手を離して「悪かった」と小さく謝ってその場は収まりました。
 
この瞬間、元カレに対するモヤモヤがどこかに消え去っっていった気がします。
男友達の言葉が、私が言いたかった言葉を全て代弁してくれたのかもしれません。
 

その後、元カレからの執拗な復縁要求はなくなり、時間を空けてちゃんと話し合ってお互い別々の人を見つけようと理解してくれました。
元カレもまた、男友達に言われた言葉でハッとしたそうです。
 
何の感情もなかった男友達…
それ以来、私は男友達だった彼に片思いしています。

 


Writing by H.I


画像引用元:http://www.city.yao.osaka.jp/0000000950.html


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