このアップルパイ、キミが作ったのかい?
いきなり話し掛けて来る夫。
そうよ。
美味しい?
美味しい。
スゴく美味しい。
そして、どこかすごく懐かしい味がするんだ…
キミは、ボクと毎日いてくれるね。
それにおいしい食事やパイまで焼いてくれる。
本当に優しい人だ。
でも、キミはボクの事があまり好きじゃないだろうね。
ボクはいつもキミに迷惑を掛けている。
ボクはいつもキミの負担になっている。
ボクはいつもキミの悲しそうな表情を見ている。
でもね、ボクはそんなキミの事が好きになってしまったんだ。
ボクの悪い所は頑張って直して行くから、よければボクと交際してくれないかい?
夫からの告白。
これには、「認知症が治ったの!?」そう錯覚するほどでした。