「そんなあからさまに言わなくていいのに…」
私だけでなく、他の乗客もそんな風にこのおじさんを見つめていました。
すると私とおじさんの奥に座っている子どもが、おじさんに一枚の紙を手渡し、それを大声で読み上げたのです。
おじさんのがもっともっとうるさいよ!
知らないみたいだから、教えてあげるね!
赤ちゃんは泣くのが仕事だし、赤ちゃんは泣くものなんだよ。
もちろん、おじさんもそうだったんだよ。
おじさんも赤ちゃんの時があったから今大人になったのに、後輩に向かってそんな事言っちゃダメだよ!
この言葉には周囲の乗客からも笑いと小さな拍手が巻き起こりました。
さすがに子どもに言われては何も言い返せず、おじさんは顔を真っ赤にして「ゴメンね」と一言。